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地元編集者ならではの切り口で、へぇ、そうだったのか、とか、くすっと笑えたりとか、
座談のネタになる話題をすくいあげていきます。
2015年4月9日(木) | テーマ/金沢の雑学
粟津、片山津、山代、山中。金沢から車で約1時間のこれらの温泉地を総称して加賀温泉郷と呼びますが、そのうち、豊かな自然と文化が残る、かの松尾芭蕉も愛した温泉地が山中温泉。その観光拠点といえる『山中座』に描かれているのが、今回ご紹介する天井絵です。
70m2の大きなキャンバスに描かれているのは、当地最大のイベント「こいこい祭り」をモチーフにしたもの。全国的にも有名な山中漆器の伝統的な技法(金や銀、色漆で仕上げる蒔絵の研ぎだし技法)によって生まれた作品は、ダイナミックかつ勇壮で、そのロビーにて華やかに観光客を出迎えてくれます。
ちなみに、対になっているのは「お椀」と「獅子」のみこし。天井絵では、そのタイトル「わらべたちのまつり」の通り、子供たちがみこしを担いでいますが、元々は「お椀」のみこしを漆器職人たちが、「獅子」のみこしを芸妓さんたちが担いでいたのだとか。その由来には、芸妓を獅子と呼んだことがあげられ、芸妓にはそれぞれ置屋があって、そこから旅館に通うのを忍び、風呂敷を被ったかたちが獅子舞の姿に似ていたから、との理由があるそうです。
そして、この『山中座』に行ったなら、もう一つ、ぜひ見ていただきたいのが大ホール。丁寧に塗られた漆はもちろん、意匠を凝らされたデザイン、山中温泉縁起絵巻の入浴場面を266色の色糸で表現した緞帳など、その空間自体が見事な芸術作品となっています。
聞くところによると、この『山中座』の建築には、なんと漆器職人のべ2,000人の匠の力が結集しているのだとか。自分たちの街の「誇り」をかけて、その細部にいたるまで、実直で丁寧な仕事が為されているからこそ、その美しさがどっと押し寄せるように感じられるのですね。
観光によって、私たちが心を動かされるのは、土地特有の自然や風土、暮らしに根差した文化、そして、その土地に生きてきた人たちの「思い」です。山中温泉に行く機会がありましたら、そんな熱い「思い」がぎゅっと凝縮した『山中座』にぜひ足をお運び下さい。かなりおすすめです。
写真提供:石川県観光連盟
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