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神明宮の欅と中原中也

2014年4月23日(水) | テーマ/金沢の雑学

犀川大橋と野町広小路のあいだに神明宮はあります。

金沢五社の一社で、樹齢千年をこえると言われる大きな欅の木が見えます。

明治45年、詩人の中原中也は家族とともに金沢に移住し、幼少のころ、この神明宮の境内で行われたサーカスを見て、あの有名な詩「サーカス」を書いたと伝えられています。

幾時代かがありまして 茶色い戦争がありました.

幾時代かがありまして 冬は疾風吹きました.

で始まる、中也の中では最も知られた詩です。

夜空を見上げて少年の頃の思い出を動機にし、生きている今と思い出を重ねた詩情と、口ずさむと奇妙な旋律が、いまでも強い印象を与えてくれます。

少年の中也がサーカスを見に神明宮に来た時に、この大きな欅は彼を見下ろしていたに相違ありません。

少年はサーカスが終わると、欅越しに星空を見上げ、その思い出が数十年後に詩となりました。

金沢は明治・大正時代には日本屈指の大きな街であり、多くの文人がさまざまな事情で訪れた都市でした。街のそこかしこに彼らの足跡があるのですが、現代の金沢人の記憶からはしだいに失われつつあるようです。

 

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