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【こめとわとベーグル】米農家の新しい挑戦!米粉のベーグルで高付加価値の商品を展開

2023年12月26日(火) | テーマ/エトセトラ

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2023年夏、石川県能登半島の輪島市に、米粉100%のベーグル専門店『こめとわとベーグル』がオープンした。ベーグルの原材料には「米に付加価値をつけ、自慢の棚田米を多くの人に食べてもらいたい」と地元品種「能登ひかり」の米粉100%にこだわる。なぜ米粉に注目したベーグル屋を開くに至ったのか、山下祐介さんに話を伺った。

こめとわとベーグルのオーナー山下さんは、輪島市内の金蔵という集落で『のと栄能ファーム』を運営している。金蔵に住んでいた山下さんの祖父母が高齢のため農業を引退し、「祖父母の守ってきた土地と農業を継ぎたい」と元々住んでいた金沢から移住・就農。農家の経験は無く、試行錯誤をしながら金蔵産のお米のブランド化に取り組んでいた。

「米のブランド化はどこでも行っていること、付加価値の高い新たな商品展開を考える中で、米粉というキーワードが出たんです」。当初はおにぎりの販売という案もあったが、すでにおにぎりの販売を行っている店が近くにもあり、手軽に食べてほしいと米粉を使ったベーグルに決めたのだという。

使う材料は自社生産の「能登ひかり」にした。ご飯にしても米粉のベーグルにしても美味しいことに加え、能登という地名が入っていることや全国でも流通量が少なく、希少性があったからだ。ベーグルの商品開発は奥さんの桂子さんが担当。米粉100%のパンを作っている方から基礎を学び、改良を重ねて「能登ひかり」でももっちりと膨らむベーグルの製法を完成させた。

地元の素材を取り入れた商品も徐々に増加。輪島市内の栗園の栗ペーストや干し芋を作る過程で出る切れ端などのロスもなども活用している。玄米の表面部分の精米は野々市市の業者に依頼しているが、米粉は自社で製粉。その際1~2%ほど発生する米粉に使えない部分は養鶏場で餌として活用するなど無駄がない。

自社で米を生産している強みもある。「今年は気温が暑く、いつもより歩留まりが悪かったんです。普段は30kgの米を精米し27kgほど取れますが、25kgと減りました」。それでも米を自社生産しているから大きなダメージはなかったそうだ。不作に備え、米は1年分ほどストックしている。

客からの評判も良く、地元客はもちろん、金沢や県外からも訪れる。「アレルギーや、意識的に小麦を控えている方が来店し、喜ばれる方が想像以上に多いですね」とグルテンフリーにこだわったことで買い求めに来る客が多いことに手応えを感じている。

店名の「こめとわとベーグル」には“こめ(米)”と“とわ(永遠)”で米文化が永遠に続いていくこと、 “こめ(米)”と“わ(輪)”で輪島の地から輪のようにいろんな人と繋がっていくという願いを込めた。米粉のベーグル屋を始めたのも、祖父母の田んぼや能登の里山里海の豊さや世界農業遺産に選ばれた能登の土地を守っていきたいという思いから。山下さんが米粉を作ることで米粉の消費を更に拡大させ、将来的には能登の農家に米を作ってもらい連携を広げて、能登の農業を盛り上げていきたいと話してくれた。


住所/石川県輪島市大野町城兼37−69
電話番号/0768-55-0001
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※掲載されている情報は、2023年12月26日以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。

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