書家・井上有一
2015年12月10日(木) | テーマ/北陸のイベント

出展:『週刊朝日』1956年2月5日号
大きな和紙に、全身を躍動させて、力強く書かれた《貧》の一文字。それは、キレイとか、美しいという以前に、なにかもっと、生命のエネルギーのようなもの、人間が生きていくうえで肝に据えておかなければならない、そんな強烈なメッセージが、どんと迫ってくるような印象を受けました。
これは、書家・井上有一(1916~1985年)の作品を初めて観たときの感想。氏を知ったのは、糸井重里さんのコラムだったと記憶していますが、そんな氏の、生誕100年を記念した過去最大規模の回顧展が、新年1月2日(土)より3月21日(祝)まで『金沢21世紀美術館』で開催されます。
公式HPのプロフィールによると、氏は、その型破りな作風で「早くから国際美術展に迎えられながらも、職業芸術家となることを拒否し、生涯を小学校教師として過ごした」とのこと。また、師弟関係による習字の技術指導を拒絶し、元気に自由に書くのが良い、としたその感性や思想は、なぜ氏の作品が言語を超えて世界の人々を魅力するのかということを端的に表しているように思えます。
今回の展覧会では、初期の傑作として知られる《愚徹》をはじめ、自身の戦争体験を七言絶句で綴った《東京大空襲》、《母》《愛》《花》《貧》《心》などの一字書やその連作、《仏光国師偈》などの多文字書、コンテ・木炭・鉛筆を使った小型の書、漢字、ひらがな、カタカナなど、多彩な表現200点以上が展示されるとか。
近年、日本のみならず、改めて世界でその評価が高まっている、井上有一の作品。その全貌を捉えつつ、偉大な芸術家として、これまでにない新たな書をつくりだした氏の生き様に触れることのできる、貴重な機会をお見逃しなく。
ちなみに、私がいちばん楽しみにしているのは、絶筆《心》です。
金沢21世紀美術館 https://www.kanazawa21.jp/
井上有一 http://www.unac.co.jp/yu-ichi/gallery/
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