加賀野菜と金沢のフレンチ〜五感にごちそう
2017年1月5日(木) | テーマ/北陸のイベント
あけましておめでとうございます。
すでに新年に向けて初仕事を迎えている方も多い時期だと思います。
本日は、昨年末の12月24日(土)〜25日(日)に行われました、「金沢学院大学公開講座 “五感にごちそう”ゼミナール2016『聖誕祭を壽ぐ金澤FRENCH』」を取材させていただきましたので、そのときの模様をレポートしたいと思います。
“五感にごちそう”ゼミナールとは、『金沢学院大学』と『金沢市』と共催で、2015年より金沢食文化に関する情報発信、魅力発信のために開催されています。
この日は、金沢の伝統食材「加賀野菜」をつかったフレンチを“金澤FRENCH”と題して、実食(ここが大事ですよね!)をしつつ加賀野菜の魅力や健康について学ばせていただきました。
「加賀野菜」とは
昭和20年以前から栽培され、現在も金沢で生産されているものから『金沢市農産物ブランド協会』が認定した野菜のことを言います。
さつまいも、加賀れんこん、たけのこ、加賀太きゅうり、金時草、加賀つるまめ、ヘタ紫なす、源助だいこん、せり、打木赤皮甘栗かぼちゃ、金沢一本太ねぎ、二塚からしな、赤ずいき、くわい、金沢春菊の15品目です。
美味しくて健康寿命を延ばす加賀野菜
金沢学院短期大学食物栄養学科長・原田澄子教授による講義がありました。
健康寿命(自分のことは自分でできる期間)を延ばすには、不健康(介護を受けたり、寝たきり等)でいる期間を短くする必要が。介護が必要になった原因の8割以上が、生活習慣病や高齢の運動障害などの原因とのこと。
つまり、食の習慣、運動の習慣を改善する必要があると教えていただきました!(耳が痛いですが、本当ですよね。何度も言われないと直りません・・)
世界でも生活習慣病対策がなされているということで、昭和55年前後の「日本型食生活」が世界的に日本の食事が評価されていることが紹介されました。
「日本型食生活」とは、日本の気候風土に適した米(ごはん)を中心に、魚や肉、野菜、海藻、豆類などの多様なおかずを組みあわせて食べる食生活のこと。
これはPFC比のバランスがとてもよいということでした。
Pとは・・・タンパク質
Fとは・・・脂質
Cとは・・・炭水化物
野菜はどれだけとればいいのかというと、厚生労働省の「健康日本21」によると、一人1日あたりの目標量は350グラムの野菜をとりましょうということですが、国民栄養調査によると、石川県の平均で男性は301グラム、女性は268グラムと少ないそうです!!
今より「もう一皿野菜を食べてほしい」ということが目標になるようです。
地産地消と加賀野菜
「地産地消」といわれますが、地域のものを地域で消費することは、栄養価が高いということが言えるそうです。
「旬産旬消」という言葉もあるそうで、その時期に旬で食べるから身体にいい。夏だと身体を冷やしたいので、とれるものも、カリウム、水分が多い野菜がとれます。冬だと身体を温めるような野菜がとれます。
(これってもしかして、旅行でその土地の美味しいものを食べるといいってことでは?)
野菜は栄養素だけではなく、機能性成分にも注目
私自身ハッキリと知らなかったのですが、野菜にはビタミンAなどの栄養素だけでなくて、野菜の機能性成分という見方があるとか。
抗酸化作用(かぜをひきにくくなる、免疫など)、高血圧予防などがこれにあたります。
加賀野菜も、旬のものは機能性が高いとのこと。通常の野菜と比較して加賀野菜(ヘタ紫なす、加賀つるまめ、加賀れんこん、金時草)の抗酸化作用は3〜5倍という実験の報告もあるそうです。
血圧上昇抑制作用があるのは、二塚からしな、ヘタ紫なす、くわい、加賀つるまめ、金沢一本太ねぎ、加賀太きゅうりということで、「加賀野菜」を改めて地元の大事なものだと気が付かせてもらいました!
さて取材当日は12月25日ということで「メリークリスマス」で乾杯が行われました。
写真は『金沢ニューグランドホテル』総料理長の神戸正雄さんです。当日の料理について解説していただきました。
◉地野菜の煮込みと雑穀米のリゾットを添えて
彩り豊かに盛られた前菜にいっきにテンションが上がりました。石川のコシヒカリに五穀米をいれたリゾットに、野菜9種類が添えられています。ソースはトリュフのオイルが使用されていて香りも楽しめました!(記事冒頭の写真はこのメニューのアップです)
◉金澤ポトフ
加賀野菜(せり、源助だいこん、金沢一本太ねぎ)に、地場の野菜が入ったフランス料理のスープ・ポトフです。野菜の素材の旨味と食感を楽しむことができました!(あれ?苦手な野菜がなくなってる気が?!)
◉スズキのポワレ アーモンド風味 春菊添え
金沢港で水揚げされたスズキに、アーモンド、バターをのせて焼き上げてあります。カレー粉が少し入っていて、ソースは金沢の大野醤油をつかったバターソースで食欲がさらにアップ! 春菊を洋風天ぷらでいただきましたが、春菊苦手な私でもカリカリな春菊に思わず「おいしい!」と思ってしまいました。お魚と野菜の組合せが絶妙でした。
◉五郎島金時と里芋の焼テリーヌと能登豚のロティ サラダと共に
メインディッシュは、能登豚を真空調理して、ものすごく柔らかくしあがったお肉です。五郎島金時と里芋のテリーヌがあまくて、ホクホクして、やわらかいお肉と相性抜群でした。そこにサラダが添えてあります。ソースはバルサミコ。
◉五郎島金時のクレームブリュレと金時草シャーベット
個人的にも五郎島金時は甘くて大好きなのですがデザートにも!
五郎島金時のクレームブリュレ。舌の上で芋の食感を感じながら旨みが溶けていく感じがたまりませんでした。
そして、きれいなシャーベットは金時草が使われていました。野菜だからでしょうか、とろみを感じて舌の感触もたまりません。やさしい感じのシャーベットです。
どのメニューも素材の良さがストレートに伝わるフレンチの数々に大満足です!
能登ハイディワイナリーからの便りを添えて
当日はこれらのメニューといっしょに、石川県輪島市の『ハイディワイナリー』の白ワインを試飲させていただきました。白ワイン好きなわたくし。飲みやすくてすっと喉を通っていく、とても気持ちのよい白ワインでした。
ハイディワイナリー 栽培醸造責任者の高作正樹社長。
輪島の土に蓄積されたミネラル分がいいと横浜から移住してこられました。ワインにもそんな生命力を感じました!
ほかにも金沢学院大学の秋山稔学長から「学生が学内だけでなく外にどんどん出て学びの場としてもらいたい」と話されました。
当日は司会や受付、準備、運営等、金沢学院大学・金沢学院短期大学の学生中心に運営されていました。(私の学生時代なんて・・・。皆さんなんて立派な!)
最後に、金沢市経済局商業振興課の山田敏之室長から。
「センシュアス・シティ・ランキング」の中で日本で134都市を対象としたアンケート調査の結果、「食文化」カテゴリでトップが金沢市に選ばれたそうです!
見る。触れる。香る。聴く。味わう。
五感にごちそうをいただきました。
次回は2017年2月に金沢の和菓子で公開講座が企画されているそうです。
当ホームページも皆さんに負けじと、金沢の魅力を発信していきたいと思います!
本年もよろしくお願いいたします。
[取材協力]
◆金沢ニューグランドホテル フランス料理『ロワ』
http://www.new-grand.co.jp
◆金沢学院大学
https://www.kanazawa-gu.ac.jp
◆金沢学院短期大学
https://www.kanazawa-gu.ac.jp/college/
◆金沢市
https://www4.city.kanazawa.lg.jp
◆加賀野菜 公式ホームページ
http://www.kanazawa-kagayasai.com
◆五感にごちそうかなざわ
http://gokan-gochisou-kanazawa.jp
◆ハイディワイナリー
http://heidee-winery.jp
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