フィルム!
2015年2月5日(木) | テーマ/エトセトラ
The Velvet Underground and Nico, 1966
開館以来、金沢21世紀美術館で続けられている「映画の極意」というイベントがあります。3/13(金)~3/15(日)にかけて開催される、今回の上映作品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の映画コレクション。映画の父と呼ばれるD・W・グリフィスの短編をはじめ、19歳のウォルト・ディズニーが制作したアニメーションや、若き日のマーティン・スコセッシが両親を撮影したドキュメンタリーなど、かなり貴重な作品が多数上映されます。その魅力的なラインナップに惹かれ、担当の方を訪ねてお話を伺ってきたのですが、強く印象に残ったのは「映写機を使ってフィルムで上映するんですよ!」ということでした。
映写機を使ってフィルムで上映? ごく当たり前のことと思われるかもしれませんが、それがそうではないんですね。
あるデータによれば、現在作られている映画の99%は、すでにフィルムではなくデジタルで撮影されているそう。その方が断然安上がりで作れるし、そもそもフィルムを上映できる映画館が激減中。それに加え、フィルムそのものの生産がストップするのも時間の問題で・・・。いずれにせよ「フィルムで映画を観るという体験」は、2015年現在、かなり貴重な機会となっているわけです。
商業的にいろいろ難しい問題はあると思いますし、デジタルにはデジタルの良さもあると認めた上で、
「デジタル映写なんて、みんなで大きいテレビを見るようなものだ。みんなそれでもいいみたいだけど、私に言わせれば、映画は死んだのだ」
というクエンティン・タランティーノ監督の発言に、やっぱりシンパシーを感じずにはいられません。確かに、デジタルリマスターはキレイだし、作品が見れなくなるよりは余程にマシなのですが、それはオリジナルではなく、レプリカに近いモノ。アナログレコードの音の“ひずみ”がロックにとって必要であるように、映画にとってはあのフィルムの“質感”にこそ、深い意味があるように思えるのです。
ついついヒートアップしてしまいましたが、お伝えしたいのは、映画の創生期から1970年代にいたるまで、まさしくアメリカを代表する多彩な作品群を、美しいヴィンテージ・プリントで鑑賞できるというのは、もう二度とないかもしれない、否、ないだろうということ。映画ファンのみならず、ご興味のある方は、ぜひぜひ足をお運びください。
ちなみに写真は、アンディ・ウォーホルによる「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」。1960年代のニューヨークの空気がビンビン伝わる、私、イチオシの作品です!
金沢21世紀美術館 https://www.kanazawa21.jp/
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