サムライ以前の石川県をゆく。
2017年3月14日(火) | テーマ/金沢の雑学
千里浜なぎさドライブウェイの端っこに、大伴家持が詠んだとされる歌が刻まれた石碑があります。ご存知ですか? というより大伴家持って誰?ってことから。「おおとものやかもち」。その一番の業績は『万葉集』の編纂です。説明すると「あ~」となりますね。北陸にゆかりがある人で、少納言となって京に戻るまでの、29歳ごろからの約5年間は越中の国守として赴任しているのです。そのため、富山県高岡市の高岡駅前には大伴家持像があります。
で、なにゆえ千里浜に…。ということですが、これはこの場所で詠んだであろう歌が記されているというわけです。
刻まれているのは
志乎路から 直越え来れば
羽咋の海 朝なぎしたり 船梶もがも
(しをぢから ただこえくれば はくひのうみ あさなぎしたり ふねかぢもがも)
碑の解説によると、能登地方を巡行の際に、気多大社へ参拝へ向かう途中に海辺で、朝凪の海に心を打たれて「船と梶があればなぁ」という気持ちを詠んだものらしいです。
金沢市内は武家文化、サムライ・ジャパンの文化が色濃く残っていますが、少し周辺では万葉からの歴史を感じる世界があると思うと、北陸は素晴らしいと思うしだいです。
大伴家持の生涯は718年~785年と伝えられています。次回は、家持が生まれた頃に、泰澄(たいちょう)大師によって開かれたと伝わる白山。開山1,300年を迎えてのことなどを。。。
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