【金沢のお正月】金沢のお正月に欠かせない祝菓「福梅(ふくうめ)」
2023年11月17日(金) | テーマ/金沢の雑学

912月になると、金沢近郊の和菓子店には正月の和菓子「福梅(ふくうめ)」が並びます。
毎年決まった店のものを楽しみにする人、今年はどれにしようかと悩む人、複数買い求めて食べ比べを楽しむ人。甘いものが大好きな金沢市民にとって、お正月に欠かせないお菓子の代表なのです。
福梅は「梅の形をした紅白の最中」で、一般的な最中と比べて餡に水飴と砂糖を多めに加え、ねっとりとした食感に仕上っています。
理由は正月を迎えるまで、日持ちがするようにするため。和菓子職人に正月休みを取らせるために、日持ちするように作ったという説もあるようですよ。
ちなみに「福梅」の由来には、加賀藩前田家の家紋を模したという説もありますが、加賀藩第10代目藩主・前田重教の時代、新春の茶席に献上されたものが正月のお祝い菓子として伝わったという説が有力なようです。
最中皮に少し白くお砂糖をあしらった様は、まさに寒梅の趣きがありますね。
正月は、砂糖と餅粉を混ぜて巾着包みにしたお菓子で、中には小さなおみくじが入っている「辻占」や、打ち出の小槌や俵などをかたどった、最中の皮のような焼いた餅種の中には金菓糖や小さな人形が入った「福徳」など、金沢特有の正月菓子もお目見えします。
金沢のお正月ならではの和菓子を色々と揃えて、団欒のひと時を楽しみたいですね。
その他の同じテーマ記事
【金沢のお正月】福徳せんべい
2023年もあとわずか。イベントを一つひとつ終え、お正月準備も万全という方も多いのではないでしょうか(続きを読む)
【金沢のお正月】全国的に珍しい石川県の「紅白」鏡餅。
石川県民の多くは紅白の鏡餅を飾ります。そんなの当たり前でしょと思った県民の皆さん、実は全国的には上下(続きを読む)
金沢のお土産&手みやげ 番外編|手みやげのマナー
ご挨拶に伺う機会が増える時期ですね。「今年もお世話になりました」、「新しい一年もよろしくお願いいたし(続きを読む)
【金沢のお正月】金沢の正月に欠かせない占い系縁起菓子「辻占(つじうら)」
(写真提供:金沢市) 金沢のお正月にいただく和菓子の代表・福梅(ふくうめ)と並んで有名なのが「辻(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】老舗から飲食店まで様々な業種が軒を連ねる「片町商店街振興組合」
昼はショッピングを、夜は遅くまで飲食を楽しめる北陸有数の繁華街「片町」。最新のトレンドショップや、金(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】昭和の風情が残るレトロな外観の建物が立ち並ぶ「尾山神社前商店街」
加賀藩祖・前田利家公と正室おまつの方を祀る尾山神社。そのお膝元にある「尾山神社前商店街」は開設70余(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】金沢市内で有数なオフィス街。『南町通り商工会』
尾山八町の一つである南町は、400年以上前の藩政期以前に形成された、金沢でも最も古い町のひとつです。(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】約400年もの歴史を誇る中心街の一つ。『竪町商店街振興組合』
竪町は金沢で約400年もの歴史を誇る中心街の一つ。全長430メートルの中央通りは「タテマチストリート(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】金沢城の石垣を築くための戸室石を引いた道筋が町名の由来。「石引商店街振興組合」。
加賀藩との歴史が深く、江戸時代初期に金沢城の石垣を築くための戸室石を引いた道筋であったことが町名「石(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】街の歴史を知る老舗と、若き経営者の店が混在する『新天地商店街振興組合』。
複合商業施設『片町きらら』の裏通りに位置し、片町繁華街の活況の一翼を担う「新天地商店街」。商店街設立(続きを読む)