【編集部レポ】まるでモンブラン?能登栗100%のデザートビールに、能登復興の想いを込めて。
2024年1月1日に発生した能登半島地震。当たり前の日常が失われ、多くの人がいまだに、復興に向けた歩みを進めています。そんななかで、震災を機に人生を変えた方がいらっしゃいます。今回ご紹介する「能登栗クラフトビール」の製造・販売事業を立ち上げた本多隼人さんもそのひとり。廃棄されていた能登栗の存在を知って、取り組みを始めた本多さんの想いやその味わいについて、実際に試飲した編集部がレポートします。

【廃棄されていた能登栗をペーストに。クラフトビールに変身】
そもそも、なぜ能登栗がビールへ生まれ変わったのか。その理由は、「捨てられてしまう能登栗」にありました。
能登栗とは石川県の珠洲市、輪島市、穴水町、能登町の奥能登地域で栽培されている栗のこと。国産栗の年間生産量約1万4,000トンのうち、わずか0.71%しか市場に出回らない希少な存在です。毎年約100トンが収穫されますが、小ぶりだったり傷があったりという理由で、2割ほどが「規格外」として廃棄されてきたそう。そんな「もったいない」を少しでも減らそうと、立ち上がったのが『金沢クラフト合同会社』です。
金沢クラフト合同会社の代表・本多さんは、金沢市の出身。JR東海に就職後も、いつかは金沢に帰りたいと考えつつ、関東や東海地方で鉄道技術者として安定したキャリアを積み重ねていました。そんななか発生した能登半島地震。「自分ができることで、少しでも地元に貢献できれば」と起業を決意します。「自分ができること」を探すなかで出会ったのが、橋本栗園の橋本さんでした。

能登半島地震は、さまざまな面で地域に大きな影響を与えましたが、農業もそのひとつ。地面は割れ、用水路が壊れ、出荷の目途が立たない農産物が積み重なる光景。
本多さんが出会った橋本栗園でも過酷な状況がありました。暑い夏の日の草刈りをはじめ、木々の下に静かに隠れる栗を一つひとつ見つけて拾い集めていく作業、収穫の際にかがみ続ける体勢。ツヤツヤと輝く栗を収穫するまでには、想像以上の工程があります。

大切に育てた能登栗も、規格外であれば、出荷できない。廃棄するしかない現実。
農家の方々が丹精込めて育てた能登栗を無駄にしたくない。
自分にできることはこれかもしれない。
そんな想いを形にしたのが、今回ご紹介する「能登栗クラフトビール」です。

【ポイントは能登栗ペーストを入れるタイミング】
クラフトビールは、麦芽をお湯で溶かして麦汁をつくり、ろ過、煮沸、発酵、熟成など、いくつもの工程を経て完成します。
金沢クラフトでは、ビールを仕込む段階(麦汁を煮る工程)と、香りをじっくり引き出す発酵の段階の2回に分けて、能登栗ペーストを贅沢に使用。深みと香ばしさを最大限に引き出しています。

能登栗を100%使用したクラフトビールを作りたい。その原料に、廃棄されてしまう規格外の能登栗も活かしたい。試行錯誤を繰り返し、規格外の能登栗をペーストに加工。クラフトビールの原料として活用する仕組みを、協力農家である「橋本栗園」とともに本多さんは築き上げました。ようやく完成した「能登栗クラフトビール」は、「モンブランを飲んでるみたい」という感想も耳にします。その高級感のある佇まいに、どんな味わいが待っているのか、期待が高まります。

【実際に飲んでみました】
いよいよ試飲! 会社では飲めないので、自宅でひとり飲んでみることに。栓を抜いた途端、ふわりと広がる甘い香りにワクワク。注いでみるとその黒さにびっくりします。

ひと口飲んでみると、ビールなのに、苦みが少ない。舌に残るような苦さがないので、「ビールの苦みが得意じゃない」という方でも、スイスイ飲める気がします。アルコール度数5%とやさしめなので、「翌日の仕事に支障が出ない範囲でお酒を飲みたい」というシーンにもぴったりです。
食事に合わせるのも良いですが、デザートビールということなので、フルーツやおつまみと一緒にペアリングを楽しみたいと感じました。能登栗クラフトビールがほんのり甘みのあるビールなので、キウイフルーツのような酸味のあるフルーツとの相性のよさを感じます。

他にも、クリームチーズをのせたクラッカーや、ダークチョコレート、ナッツなど、ワインに合いそうなものとの組み合わせがおすすめです。お酒はあまり強い方ではないですが、ビール自体の飲みやすさとペアリングの楽しさに、あっという間に飲み切ってしまいました。

【能登を応援。石川県ならではの贈り物】
「能登栗クラフトビール」は、能登地域で収穫された栗を使用し、金沢市にある『金沢クラフト合同会社』が製造したクラフトビール。つまり、石川県の魅力が詰まった商品といえます。
農家の方々が心を込めて育てた能登栗を無駄にしたくない。そんなふうに、相手のことを想う気持ちが詰まった「能登栗クラフトビール」は、ギフトにもピッタリ。公式オンラインショップで購入できるほか、金沢駅「おみやげ処金沢」(金沢百番街Rinto内)でも2026年7月より販売がスタート。石川県穴水町のふるさと納税返礼品にも採用されるなど、その人気が広がっています。

能登半島地震から、時間は経ちました。日本各地で大きな災害が起き、心を痛めている方も多くいらっしゃると思います。能登の方たちは自分たちの生活がままならないなかでも、「私たちよりも大変な人がいるから」と下を向かずに暮らしを続けていると聞きます。でも、復興はまだ道半ばです。「忘れられることが一番辛い」という声も耳にします。
能登栗のおいしさと復興への想いが詰まった「能登栗クラフトビール」。飲んで、おいしい。飲んで、応援できる。飲んだあともじんわり続く、やさしい甘さと希望の余韻を楽しめる、これまでにないビールを味わってみてはいかがでしょう。





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