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金沢小景

脈々と育まれてきた金沢の風物。
残したい、守りたい、ただそれだけの思いを込めて、大切な小景を届けます。

第6回

どじょうの蒲焼き

撮影:今寺 学 撮影協力/かばやきの浅田(2008年撮影)
どじょうの蒲焼き

 金沢市内から、店頭でドジョウを焼く店が減ってきているのにお気づきだろうか。金沢で「蒲焼き」といえばウナギよりもドジョウを指した時代が確かにあったのだけれど、それもいまや昔話。
 ドジョウの蒲焼きが金沢で始まった時期については諸説あるが、よくいわれるのは次のようなものだ。
 藩政時代、幕府の改宗命令に応じなかった長崎のキリシタンが加賀藩にお預けとなり、その際、卯辰山のせせらぎで捕ったドジョウを彼らが醤油につけて焼いて食べた、あるいは生活の糧とするために城下で売り歩いた――というものである。また、腹の部分を開くのは切腹に通じて縁起が悪いから背開きにした、そんな言い伝えも残っている。
 もちろん、いまでも夏の到来とともにドジョウの蒲焼きは市内のあちこちにお目見えする。が、あくまでウナギの脇役といった扱いで、昔から知るものにとっては少々寂しい。
 しかし、とも思う。
 そもそも旨い魚が豊富にそろう金沢で、減ったとはいえ、いまだに食べ継がれているのはたいしたものじゃないかと。焦げる一歩手前まで炭火でじっくりと焼き、香ばしい風味に鼻をくすぐられながら独特の苦味を楽しむ夏の風物詩……。うーん、ビールが欲しくなる。
 ところで、ドジョウって体にいいのだろうか? 答えはイエス。
 カルシウムの量が魚類のなかでは抜群に多く、実にウナギの九倍もある。当然、丈夫な歯や骨をつくるのを助け、神経の安定にも効果的だ。また食べると内臓が温まり、体の余分な水分が取り除かれ、女性にうれしいシミ・シワ防止のコラーゲンも多く含んでいるという。
 だてに食べ継がれてきたわけではなかった。そこには、先人の知恵がびっしりと詰まっていたのである。

※掲載されている情報は、時間の経過により実際と異なる場合があります。(更新日:2019年5月27日)

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