【石川県の方言・金沢弁】「じのもん」と「えんじょもん」
今日ご紹介する金沢弁は「じのもん」と「えんじょもん」です。
漢字で書くと「地のもの」と「遠所のもの」。
要するに、土地の者と、遠いよそから来た人、という意味です。
昔、祖母が近所のおばさま方と立ち話をしているのを耳にした以外は
実際に聞いたことはありません。
「あこんちの嫁は遠所もんやさかい、地のもんとはちょっとちごわ」という言い方をしていて、
(あの家のお嫁さんは、県外から来た人だから、地元の人達とはちょっと違うわね)
排他的にも思える言い方に、ちょっと寂しい気持ちになったことを覚えています。
ですが、この言葉は観光に訪れた人たちを指していうことはなく、
金沢で生活を営んでいる人たちに用いることが多いので
これからは地のもんになろうと言う人に使うのかな、とも思ったりもしました。
こちらは人に対してだけでなく、地採れの農作物などにも用います。
このあたりで採れた松茸は「地のもん」、他の国からやってきた松茸は「えんじょもん」です。
ちなみに近年、地元で採れた野菜などを「じわもん」と呼びますが、
こちらは、本来、地のものというより、自椀もの(うちうちでいただくような食べ物)のことを指したのだとか。
単純に「じのもん」→「じわもん」に変化したなど諸説あるようですが、なるほどな! と思いました。