天から送られた手紙
2016年2月23日(火) | テーマ/エトセトラ
「雪は天から送られた手紙である」
まるで詩人のように美しい言葉を遺した科学者・中谷宇吉郎。石川県の片山津町(現加賀市)に生まれ、東京帝国大学で寺田寅彦に師事し、北海道大学で雪の研究に従事。冒頭の言葉は、世界で初めて人工雪の製作に成功し、雪の結晶が形成される過程を解明した氏が、アメリカの農夫が撮った雪の結晶の写真集のその美しさに魅了され、研究に着手したエピソードを物語っているように思えます。
今回ご紹介する『中谷宇吉郎 雪の科学館』は、霊峰白山を望み、柴山潟に接する絶好の場所に立つ施設。雪をイメージした六角塔3つが配置された建物は、世界的な建築家・磯崎新氏の設計で、エントランスに続く広く緩やかなスロープを歩きながら、視界の変化を楽しめるのが特徴となっています。
館内に足を運ぶと、加賀市での幼少時代から、四高、東大、理化学研究所、ロンドン留学、北海道大学と、中谷博士の軌跡を辿るコーナーを筆頭に、北大にあった低温室の再現や、スペースシャトルで宇宙初の人工雪実験が行われた装置などを展示。映像ホールでの上映、ダイヤモンドダストや過冷却の実験、氷のペンダントの実験に触れられる時間やコーナーなどもあり、大人はもちろん、子供たちも楽しむことができます。
私が特におすすめしたいのは、冒頭以外にも博士が遺した美しい言葉の数々で、
「名もない雑草のどの部分でもよいから、一応顕微鏡で覗いてみれば・・・・・・そこには、一面に生命が満ち溢れている」
「これほど美しいものが文字通り無数にあって、しかも殆ど誰の目にも止まらずに消えていくのが勿体ないような気がした」
「生きることは一つの実験である」
などなど、館内のいたるところに掲げられた言葉には、純粋無垢な気持ちで、真摯に科学と向き合った、氏の素晴らしい人間性が滲み出ています。
小松空港から車で約15分、金沢からは1時間弱。科学に秘められている「情熱」に胸が熱くなる同館に、少し寄り道して立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
中谷宇吉郎 雪の科学館
http://kagashi-ss.co.jp/yuki-mus/yuki_home/
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