学年が進むにつれて勉強が楽しくなる、後伸び力の育て方(第13回)
自学力の育て方④ 禍福は糾える縄の如し
『名門公立高校受験道場流 自学力の育て方 受験突破だけで終わらないために』
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自学力が身に付きつつある生徒のイメージはどんなものですか?
『自学力の育て方』では、それぞれの塾長が、
それぞれが生徒や世の中に対して感じている課題に応じて、
それぞれの自学力をイメージして書いています。
シリーズで、私がイメージしている自学力が付きかけている、
生徒のイメージをお伝えしています。
寺子屋みたいな空間に来た瞬間に、
眼の色を変えて楽しそうに勉強する生徒たちもいます。
そういう子たちを「自学力がある生徒」と理想像にして、
なんでうちの子は違うのかと嘆息される保護者もおいでるのですが、
私は彼らみたいな生徒を見ると、辛くなってしまうのです。
自由に知的好奇心を伸ばしてもいい空間に出会って、
眼の色を変えて勉強するようになる子たちは、ほぼ例外なく、
それまでの間に、過度に知的好奇心を抑圧されてきた経験を持ちます。
例えば、
大人から、そんな余計な事しなくていいと言われてしまったり、
大人を超える知識を見せると、怒られてしまったり、
急に先生から当てられなくなってしまったり、
同級生たちからからかわれ続けたり。
または、大人が言って欲しい「正解」を察知して、
当てないと褒められないので、
自由に発想したり意見したりすると、嫌われるのではないかと
思って過ごしていたりしてきています。
そのうちに、
自分が楽しいと思うことは、大人たちにとって、
周囲の友人たちにとって、悪いことなんだと、
強烈に内面化してしまった生徒ばかりです。
楽しそうに知的好奇心の芽に水をやっている生徒たちを見ていると、
今まで辛かっただろうなぁ、と心が痛みます。
一般的に保護者がイメージする「自学力がある生徒」には、
こういう背景があります。
もしこの記事をご覧の保護者の方で、
うちの子も同じように辛そうな状態だと思われたら、
それは知的好奇心の芽が既にあって、発芽するまでの間の、
冬の期間だと思ってください。
まさに「禍福は糾える縄の如し」です。
ほとんどの子どもたちは、こういう波瀾万丈の状態というより、
サザエさんの磯野家のように、平和にのんびりと過ごしていると思います。
生き生きと「楽しい」状態ではないかもしれませんが、
とても幸せな状態だと思います。
そういう大多数の子たちには、
まず知的好奇心の芽を種蒔きすることから始めます。
詳しくは次回また述べたいと思います。
《過去の記事はこちら》
➡第1回 「概念がある程度入ってからがお勉強です」
➡第2回 「思考力を育てるには?」
➡第3回 「情報処理能力と読解力」
➡第4回 「読解力は大きくなれば身に付くわけではない」
➡第5回 「頭が悪いのではなく、具体が入っていないだけ」
➡第6回 「受験勉強が悪いのではなく、勉強のイメージが偏っているだけ」
➡第7回 「受験勉強の意味を考えてみる①」
➡第8回 「受験勉強の意味を考えてみる②」
➡第9回 「受験勉強の意味を考えてみる③」
➡第10回 「自学力の育て方① まずは歯を磨くように勉強する」
➡第11回 「自学力の育て方② 先取りは目的が大事」
➡第12回 「自学力の育て方③ 自学力が備わってきた子のイメージ
●書籍名:「名門公立高校受験道場流 自学力の育て方 受験突破だけで終わらないために」(KADOKAWA) ●著:名門公立高校受験道場 ●発売日:2021年11月19日 ●定価:1,540円(税込) ●書籍の詳細・購入はこちら
※掲載されている情報は、2022年1月以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。
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